糸魚川市藤崎地区に伝わる小正月行事「裸胴上げ」が17日夜、藤崎観音堂で行われた。ふんどし一丁の男衆に担がれた厄年の男性らが次々と宙を舞い、堂内は熱気に包まれた。

江戸時代から続くとされる奇祭。豪快に放り投げることで厄を落とし、無病息災を祈る。

この日の投げ手は地元の男衆約20人。厄年の男性らを見つけると、捕まえては「サッシャゲ、サッシャゲ」と大声を上げながら、担ぎ上げる。そのまま堂内を練り歩き、「ヨイヤーサー」の掛け声とともに、約4メートル上の天井に向けて荒々しく放り投げた。

中央部分の天井はくぎで固定されておらず、勢いよく飛んで天井板を外す人も。高く舞い上がるたびに見物客からは大きな歓声が起こっていた。

初めて胴上げされた同市の会社員木島善生さん(40)は「何も考えずに身を任せて飛んだ。厄を落とし軽くなった気がする」と話していた。
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