今回は、バードメン第23話が掲載されてるサンデー21号の発売日前に書いたものです。小説風にしました。
バードメン予想・こんな展開がきたらイイナ〜☆っていう、妄想予想(笑)
完全に見切り発車。故に、色々捏造♪
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バードメン第23話の妄想予想(笑)
【flight023 TWEET(ツイート)〜『さえずり』】
「Oh――♪グッド チョイス!でース!」
区立天空台中学校の、新しく英語指導助手として赴任してきたジョナサン=スミスは、枝豆とビールという日本の居酒屋の定番メニューをどうやら気に入ってくれたらしい。
ここは駅前の和風居酒屋である。同僚の教師達が、新たに自分達の仲間に加わった外国人の英語教師の歓迎会を開いたのだ。
若い白人のジョナサン=スミスは、眼鏡をかけた明るい好青年である。そのルックスの良さから、女生徒からは早くも人気がある。……しかし、服のセンスはいかがなものか。『滅私奉公』と書かれているTシャツを着ている。
「スミス先生は女生徒にモテますなぁ。うらやましい」
年配の男性教師が少々酔いの回った顔で、話し掛けてきた。
「リアリー!?それ、ホントウですカー?
とっても嬉しいでース。日本の生徒達と早く仲良くなって、いっぱい英語覚えてもらいたいでース!」\( ̄∀ ̄)/
「ははは…、こりゃ女生徒達の英語の点数が上がるでしょうね。男子達も頑張ってもらわないとな」(笑)
「モチローン、男の子達にも頑張って教えまース♪
…だけドー、意欲ダイジでース!本人のやる気ナイと、勉強ゼンゼン身に付きまセーン!!」
陽気におどけてみせるジョナサン=スミスは、周囲に笑顔を振りまく。その笑顔を疑う者はいなかった。
『ジョナサン=スミス』は英語教師などではない。
偽りの経歴でこの中学校に教師として潜入した『エデン』のメンバーである。しかし、その笑顔は紛れもない真実。
彼は間近でバードメンの集団を観察できる事を、心から楽しんでいるのだ。
「グッド チョイスでース!」
ジョナサン=スミスことFOX(フォックス)は新しく運ばれてきた焼き鳥を手に上機嫌であった。串に刺さったジューシーな鶏肉に舌鼓を打つ。
一方、烏丸英司は別の選択を迫られていた。こちらこそ、グッド チョイスを間違えてはならない。
人類とかけ離れて行くバードメンとして生きるべきか、
これ以上、人類と距離が離れないようにバードメンの成長を抑制して人類として生きるべきか。
……それが問題だ。
鴨田と鷺沢達はバードメンとして生きる事に異論はないと言っている。
鷹山は、人と繋がる事で世界が広がる楽しみを見つけたらしい。あの日以来、バードメンとして積極的に人命救助などを行い、人と関わる事を楽しんでいるようだ。
当然、これからもバードメンとして生きて行く気満々である。
海野つばめは、そんな鷹山崇に想いを寄せている。
「鷹山君と一緒にいられるなら、人間やめても後悔しない」と、あっさり人間棄てやがった。
……オイオイ、人間に未練残してんの俺だけかよ!?(汗)
烏丸はバードメンか、人間かの選択の他に、もう一つ重要な決断をしようとしていた。
『敵』についてである。
どうやら、鴨田を狙撃した敵の仲間にバードメンがいるらしい。鷹山の話では、年下の女の子だという。
今後も鳥部のメンバーが狙われる危険性もある。
これは相手の目的や正体をしっかりさせておかないと、いつまでも後手に回ってしまう。
直接攻撃を受けたのは、鴨田が撃たれたあの一回だけなのだが、もし敵が二回目の攻撃を仕掛けてきた時、今度こそ取り返しのつかない事になるかも知れない。
烏丸はその『あるかも知れない二撃目』を警戒していた。
その前に、何らかの情報を掴んでおきたかった。
以前、龍目先生が言っていた言葉を思い出した。
俺達は何もしてないのに、大人しくしてたのに撃たれた……そう烏丸が言った時、龍目先生は確か、こう言ったんだ。
『それはこっちがそのつもりでも、向こうの判断だからさ…』
……それなら、もしエデンが鴨田を撃った『理由』や『目的』が分かれば、
狙われる事なく、
バードメンとして生きる事を選択した鳥部メンバー全員の安全を守れるかも知れない。
鴨田を撃った事は今も許してはいないが、それよりも、鴨田を含めたメンバー全員の安全確保を優先したい。
敵が本当に戦うべき相手かどうか、……戦うにしろ敵戦力を見定める必要がある。
それには情報がいるのだ。今それは圧倒的に少ない。これでは埒が開かない。何とか相手の情報は取れないものか。
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鳥部の活動は、人目に付きにくい夜に行われる。
『かもめのジョナサン』や『星のおうじさま』のような『夜間飛行』である。(共に、飛行機乗りの文学とも言える作品)
「俺達がこのまま、バードメンとして進んでいこうとするなら、エデンはまた俺達に危害を加えるかも知れない。あんな不意打ちは二度とご免だ。
……俺は、エデンに先手が打ちたい。今は少しでも情報が欲しい」
「英ちゃん、またあの悪の首領みたいなカッケエ事すんの?」
「違うッ!!…それはもう忘れろ!けんか腰で勝てる相手じゃないだろ!?
龍目先生と鷹山には相談したんだ。」
烏丸「こちらから、エデンとコンタクトを取る」
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五人は円陣を組み、互いの手を握った。初めて鳥部で、鷹山に呼び掛けたやり方だ。
試みるは、五人同時の一斉ツイート。
烏丸達は知らない情報だが、今地球上でこれが可能なのは烏丸達のグループをおいて他にない。
エデンの覚醒済みのセラフは、互いに距離や空間を隔てた場所で個別に管理されている。
バードメンそのものが少ないとは言え、世界中に散らばるバードメン全体の数から考えれば、『五人』という数は極少数と言える。
だが、しかし、その『少数』が今現在、覚醒済みのセラフを含めて機能している『バードメン最大の集団』なのである。
その中に『支配能力』の『先導者』(ベルウェザー)と、『繋ぐ者』(リンカー)の鷹山が含まれている。
そもそも、ベルウェザーは集団を動かす為の能力だ。
ベルウェザーの支配能力は強い想いと強い言葉で仲間を導く。単一個体であるはずのバードメンの意志を、あたかも一つの生物のように意志統合を行える。他人の意志を自分と同じ方向に集結させるのだ。
そこに『繋ぐ者』の鷹山が加わる。
繋ぐ者の特性は『現行人類とのリンクを可能にする事』だが、その強いリンク能力は通常のバードメン相手にも効力を発揮する。
五人は星の少ない東京の夜空の下で、ありったけの力を込めて『呟いた』……
《俺達はバードメン。―――、》
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『波』は同じ波長を持つ波同士で合成が起こる。海の波も、同じ波長の波と融合すれば威力を増す。音の波も、波長の同じ波を持つ音と合わさればハーモニーが生まれ音の合成が起こる。
烏丸のベルウェザーは、他のセラフ達を自分と同調させる。
その呼び掛けは昼と夜とを分け隔てる地平を越えた。距離や時間、空間や言語の隔たりを越えた、バードメンのさえずり。
繋がろうと、求める意志が世界の国と地域の朝と昼と夕暮れと、朝を待ちわびる夜の闇を飛翔した。
地平線から地平線へと続く新しく世界。新しい世界に住むまだ見ぬ同朋。
フェアリーはどこかの空港で、飛行機の出発を待ちながらカフェで過ごしていた。
突然、脳裏に響いた烏丸達のツイートにカップを取り落としそうになった。
(………!!!?な、なんて事なの!!この感じ、また、あの子達なの!?
『日本』からここまで、何千キロあると思っているの!?)
「どうかしたの?フェアリー」
「何でもないわ。ただ少し、時差ボケで眠いだけよ」
時差を越えて届いた声に、本当は眠気も吹っ飛ぶくらいなのに、
フェアリーはわざと不機嫌そうに眠くもない目をこすった。
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まだ未明のアメリカ、ヴァージニア。
「ワーオ…!」
アーサーは思わず、ベッドの中でまるで夢精でもしてしまったかのような声を上げた。
それは感嘆の声。
金色の髪のあどけなさが残る少年は、緑の瞳を輝かせた。なんて最高の目覚め。
イングランドの伝説の王の名を持つ少年は、今朝、剣を引き抜いたような感覚だった。
いや、…引き抜いたのは彼らだ。彼らは突然現れて、台座からピクリとも動かなかった運命の剣をいとも簡単に抜きはなってしまったのだ。
なんという、爽快な呆気なさ!!
あれほど幾度も呼び掛けていたのに、彼の呼び掛けに応える者はいなかった。
仲間からの初めての呼び掛け。
そのさえずりは、昼と夜を分け隔てる地平を越え、昨日と今日を分け隔てる日付変更線を越えた。
東京とヴァージニアの時差は14時間。東京の夜7時は、ヴァージニアの昨日の朝5時だ。
烏丸達のツイートは全世界に配信された。それは、烏丸達だけの力ではない。
たまたま比較的近くにいたツイート圏内に含まれたバードメン達が、自身を電波の基地局か増幅器(ブースター)の役割を果たしたのだ。
そのツイートをもっと遠くへ、もっと遠くへと繋げる。その様子は、惑星探査機のスイングバイにも似ていた。惑星の重力によって生じる遠心力で加速させ、衛星をより遠くまで繋げる方法だ。
バードメン達の繋がりたいと願う意志が、烏丸のメッセージをアーサーの元へと運んだのだ。
その声はこう言った。
《俺達はバードメンだ》
《全世界のバードメンに告ぐ》
《お前と話がしたい》
《集え》
《俺達はここにいる》
と、―――――最高に偉そうな命令口調のファーストコンタクトであった。
アーサーは驚きと喜びに震えた。
「僕も君たちと会いたいよ…」
しかし、アーサーはその呟きを彼らに届けるすべを持たなかった。
アーサーは興奮に胸をときめかし、ブランケットを握りしめた。
「ビフ…仲間がいた。僕に仲間がいたんだよ。ずっと探してた……ビフ、僕は今日、やっと仲間に会えたんだ」
アーサーは代わりにビフに呼び掛けた。でも、それは心の中だけで呼び掛けた。
これは、バードメン達だけの秘密の通信。ビフ達にそれを明かす訳にはいかなかった。
だって、ビフは人間、彼らはバードメンなのだから。
そう、そして、『バードメン』………
「僕の『仲間』だ」
これは全世界のバードメンに向けられた鳥達だけのさえずり。
現行人類を覗いたバードメンの世界。今、世界は広がった。
世界は本当に新しい。未明の空に朝を待つ。
新しい朝、新しい光、まばゆく照らす新しい世界。本当の朝は、すでにアーサーの心に届いていた。
これは恐らく、全てのバードメンが待ち望んでいた朝。
人類はまだ、その夜明けを知らない………。
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これが後に、
バードメン達の間で語り草になる『宣戦布告ツイート事件』である。
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鴨田「英ちゃん、あの時みたいに、悪の首領並みにスッゴく偉そうだったよ〜!いいの、英ちゃん?あんなに偉そうで」
烏丸「いいんだよ!!こーいうのは最初が肝心!先にナメられたやつの負けなんだよ!」(`口´///)
海野「烏丸って、先にナメられそうだよね―」(笑)
鷺沢「フフ…『集え』だって、中々言えないセリフだよね」
烏丸「あ、あれは、偉そうなノリでたまたま出ちゃっただけで…!!
イヤ―――ッ!!俺、普段から、『集え』とか平気で言っちゃえる人だと思われてるッ!!」(恥ッ!!)( ̄口 ̄///;;)
鴨田「ホウホウ…、英ちゃんノリノリで『集え』って言っちゃったわけだ。ヤッパ、英ちゃん首領役似合うなぁ〜♪」
海野「烏丸、『ブラックカラス大将軍』とかどう?キメ台詞はこうだよ。
『ク…もはや、これまでか』
『これで勝ったと思うなよ!!次こそは、必ずや貴様らの息の根止めてやる!』
『覚えてやがれ〜!!』」(笑)
烏丸「負けてるよッ!!負け犬の遠吠えか逃げる時の捨て台詞にしか聞こえないよッ!!」
鷺沢「……しかも、大将軍と言う割に、かなりの小物だよね」(笑)