俳優の大沢たかお、ラグビーW杯で日本代表の主将を務めたリーチ・マイケル選手、プロ男子テニスの錦織圭選手が11/30、東海テレビ制作の2020年1/4(土)放送の『The世界力4』(13:30-14:45、フジテレビ系)の収録後の記者会見に登場した。この日、大沢サンを交えて約1時間半の座談会を行った。初対談を果たし、トップアスリートとしての談義に花を咲かせた。
同番組は、肉体的転換期を迎える30歳前後のエースアスリートに迫る番組。今年、世界を舞台に活躍した日本人アスリートたちにスポットを当て、彼らの強さの原点に迫り、“世界の頂点”を目指す者たちが、いま、何を考えているのかを独自の目線で引き出していく。番組の目玉として企画されたのが、錦織選手とリーチ選手の対談。それを俳優の大沢たかおがナビゲートした。世界を舞台に活躍した日本人アスリートたちの強さの原点に迫るため、大沢サンが東京、スペイン、ポルトガルを旅しながらアスリートの元を訪問。
大沢サンが錦織選手と対談、さらにリーチ選手も加わえて鼎談を行ったり、スペインでは香川真司選手を訪ねて、日本のエースの今後を探る。また、新世界力戦士として五十嵐カノアも紹介する。
大沢サンは「日本中が注目する2人に同時にお話を聞けたのは貴重な経験。いろいろ聞いているので番組を楽しみにしてほしい」とアピール。大沢サンが2年連続で司会進行の役目を務めた。
2人は初対面で、すぐに意気投合。錦織選手がリーチ選手について「今日リーチさんに会えて本当にうれしい。テレビで見る、ちょっと近寄りがたい存在よりは、目の前で見るとけっこうかわいらしい。身近な存在に思う」と言えば、リーチ選手は「普段はこんな感じ。試合になると態度が変わる」と答えた。
同世代の錦織選手から「申し訳ないんですけど(31歳よりも)上だと思っていました」と言われて苦笑。「だいたいみんなびっくりします」と笑いで返していた。
お互いへの質問で錦織選手は「一番好きな食べ物は何ですか?」と無邪気に問いかけた。リーチ選手は「そば。天ぷらとセットの」と返答。「海外に行った時にどうしても食べたい。ラーメンは(日本と)近いことができるけと、そばは違う」と説明した。
錦織選手は、ラグビーW杯で日本−スコットランド戦を観戦しており、テレビでも何度も観戦。リーチを「すごく楽しかった。テ会えてすごく光栄。レビで見ているとおり、芯があってキャプテンぽい」。リーチは、日本代表のジョーンズ前代表監督の際に、「ジャイアントキラーの例として、錦織の試合をビデオで見た」と話し、「こうやって話してみて、仲良くできる。共通点が多い。学ぶ点が多かった。強い信念がいくつか出てきて、心に響く内容だった」と話した。
印象に残った話として、リーチ選手は「たくさんいい話も聞けて、錦織選手と共通点もあって、すごく楽しかったです。特に試合のときに自分のゾーンに入って周りを見ない、ということが一番印象に残った」と回答。錦織選手は「第一印象は大きな体と胸板。遠くで見ていたので、伝わらなかった体の厚みはテニス選手とは違う」と語り「リーチさんの話の中で『強い信念』ということが多く出てきた。僕の心に響く内容でしたし、この強さを学びたいなと思いました」と尊敬の眼差しを向けていた。
リーチ選手は「大きな選手を前にどうなるのか?」と問うと。錦織選手は「おっ、となるのは24、5歳まで。今はもういける、勝てると思うようになった。未だにおっと思うのはジョコビッチだけ。そこを乗り越えて頑張らなくちゃいけない」と話していた。
また、ラグビー日本代表が行ってきた朝から夜までの地獄のトレーニングを聞き、錦織選手は「僕なら2日で実家に帰っている」と苦笑い。リーチ選手は、20年東京オリンピック(五輪)に出場予定の錦織選手に、「スポーツは影響力がたくさんある。金メダルとってほしいけど、プレッシャーに感じずに、テニスができたらいい」とエールを送った。
錦織選手は右肘の負傷で10月22日に手術を受けリハビリ中だが、来年の東京五輪イヤーに向け「自分を100%信じて戦えるようにしっかり治して、強い自分で戻ってきたい」と約束した。
話題は30代を迎えての決断というテーマで、リーチ選手は「タックルしないといけないポジション。身体がギリギリ」と泣きを入れる。それでも「次のW杯に挑戦したいと思います」と断言した。
目標の8強を果たした今大会。次回大会ではさらに上への挑戦となる。「(今大会は)ベスト8で限界だった。他のチームは余裕があった」と戦力アップを条件に上げ「優勝できる信念を作るのも大事」と精神面も強化して頂点を狙う思いだ。
リーチ選手は「(現役はあと)3、4年ぐらいできたらいい。次のW杯に挑戦できるように頑張りたい」と2023年フランス大会へ意欲を示した。
記者から「世界で日の丸を背負って戦っていく重圧」について聞かれると、リーチ選手は「僕には日の丸を背負って戦うというのはすごく難しいこと。日本で生まれてないけど、日本が大好きで、試合に出て体で表現することが大事。言葉よりもタックルで」と話した。
錦織選手は「どんなにプレッシャーが掛かろうと、自分のために戦うということを大事にしてきた。今は国のために戦う、少しでも良いニュースを届けたい、というのがモチベーションになっている」と明かす。
また、「“世界力”がある人物はどんな人か?」という質問には、大沢サンは「日本中が注目する2人に同じ時に、同じ場所で話が聞けて貴重な機会だった。1つの大きな戦いをへて、今、ここまでのポジションに来て、そこからさらに上を目指していくという共通の思いを知ることができた」と語った。また、世界で戦う人について、「皆さん、共通して才能もあるでしょうが、それ以上に自分自身と闘って、乗り越えて、1歩でも前に行こうといつもしている人。あきらめずに1歩1歩進んでいる人が世界で戦える人かと思う」と語った。また「世界のトップで戦えるのはメンタルの強さがあるから」と語った。
さらに、試合前の験担ぎについて、リーチ選手は「部屋の掃除すること」と答えて笑いを誘い、錦織選手は「ほぼ何もしていない。前は何かしようと思っていたけど長続きしなかったので、自然体で臨もうと」と話すなど、終始和やかな雰囲気のまま会見は終了した。