俳優の玉木宏が主演を務めるWOWOW『連続ドラマW だから殺せなかった』が2022年放送・配信されることが発表された。原作は、新人離れした筆致で高い評価を得て、第27回鮎川哲也賞優秀賞(佳作)を受賞した一本木透の同名小説(東京創元社)。連続殺人犯と新聞記者が公開討論を繰り広げる、前代未聞の劇場型犯罪を描く衝撃のミステリー。
本作は、「俺の殺人を言葉で止めてみろ」と、大手新聞社に届いた一通の手紙から始まる。首都圏を震撼させていた無差別連続殺人犯は一本木記者を指名し、新聞紙上での公開討論を要求する。新たな殺人を予告する犯人に対し、一本木は報道記者として言葉の力で立ち向かう。
連続殺人犯と新聞記者の前代未聞の紙上戦は、ジャーナリズムや社会の闇を浮き彫りにしながら、劇場型犯罪として世間を揺るがしていく。挑発し続ける凶悪犯の真の目的とは一体何か。そして、一本木を待ち受ける衝撃の結末とは?凶悪犯に指名された一本木記者は、“言葉”で殺人を止められるのか?
凶悪犯の動機の謎に加え殺人犯vs新聞記者の攻防からも目が離せないサスペンスフルな本作は、ジャーナリズムや社会の闇を浮き彫りにする社会派ミステリーだ。
本作の主人公である、心に傷を抱えながらも、報道に対する信念を貫く敏腕記者・一本木透を演じる、ドラマや映画で多彩な役柄を演じ分ける玉木宏は、[連続ドラマW 盗まれた顔〜ミアタリ捜査班〜]以来、3年ぶりに同局のドラマに出演。
脚本を手がけるのは、[連続ドラマW 華麗なる一族]の前川洋一。監督には[連続ドラマW 宮部みゆき ソロモンの偽証]の権野元、音楽には[連続ドラマW 引き抜き屋〜ヘッドハンターの流儀〜]の木村秀彬が揃った。
▽玉木宏コメント
・オファーを受けた際の気持ち
ドラマWはドラマでありながら映画的要素が多く、どっぷりとその世界に入る事が出来る枠だと思っています。今作は静かな作品ではありますが、心がジワジワと揺さぶられていくような面白さがあると感じました。職責を全うする事の意味を考えずにはいられません。そんなメッセージを受け取り発信したいと思いました。
・演じる役・一本木透、権野元監督の印象
過去に後悔がありながらも、今を生きている男。報道の在り方、仕事の意味、自分の選択は正しいのか、自問自答しながら今を生きる姿が印象的です。権野監督は、かゆいところを理解してくれる方です。どんな応対も素早く的確で現場をしっかりまとめてくださいます。ご一緒するのは4年ぶりなので楽しくやらせていただいております。
・視聴者へのメッセージ
誰しもが自分と向き合う時間はあると思います。自分の居る場所、進むべき道、自己肯定する事も時に必要だと思います。葛藤しながら歩を進める太陽新聞記者、一本木のメッセージを受け取ってください。
▽原作・一本木透コメント
「連続ドラマW」は重厚で見応えのある作品ばかりなので、お話をいただいた時は胸が躍る思いでした。そして、この小説の要である新聞記者と連続殺人犯の紙上戦を、どう映像化して頂けるのか、今から興味津々です。名優・玉木宏さん始め豪華キャストの方々の競演、そしてメガホンは、あの権野元監督。まさに「原作者冥利」に尽きます。
▽権野元監督コメント
・本作の連続ドラマ化にあたり、監督として心がけていること
原作で描かれている新聞社内部の描写などは生かしつつ、原作では登場しなかった人物、他の警察組織、その中でうごめく人間関係にもフォーカスしていきたいと考えています。今作はある劇場型犯罪を扱っていますが、その姿の見えない凶悪犯はいったい誰なのか?登場人物を改めてフラットに見直すと、誰が一番悪いのかわからないようなクセのある人間ばかりなので、その一筋縄ではいかない絡み合いも丁寧に紡ぎあげたいです。
・玉木宏の印象
玉木さんとは今作が二作目ですが、以前に増して男としての魅力、一言で言えば「枯れ感」も出て来たなぁと。過去にある秘密を抱えた主人公、一本木透を演じてもらっていますが、その瞳に宿る強いものの奥に潜むアイロニーが得も言われぬ色気を生み出しています。そんな玉木さんが個性的でクセしかないような様々な登場人物によって翻弄されていきます。その様もどうなるか楽しみにしている所です。
・視聴者へのメッセージ
姿の見えない犯人を追いかける物語なので、犯人は誰なのか、なぜこのような犯罪が起こらざるを得なかったのか、ということはもちろん、その動機、そこに大きく関係する現代社会が抱えている闇にも注目していただきたいです。大手新聞社や警察組織という、ある意味特殊な組織内で、様々な思惑を持つ人間たちの静かな戦いにも注目していただければと思います。
■『連続ドラマWだから殺せなかった』(全5話)
WOWOWプライム、4K、オンラインにて、2022年放送・配信スタート
※第1話無料放送