俳優の吉沢亮が主演を務める大河ドラマ『青天を衝け』の追加キャストが、発表され、泉澤祐希、笠松将、田村健太郎、内野謙太、池田朱那、大島優子、愛希れいか、駒井蓮、呉城久美、菅野莉央、忍成修吾、岡部たかし、長村航希が出演することが、わかった。
吉沢亮が約500の企業を育てた上、約600の社会公共事業に関わり、“日本近代資本主義の父”として知られる渋沢栄一を演じる本作は、NHK大河ドラマ第60作。幕末から明治へと、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように高い志を持って未来を切り開いた渋沢の姿を描く。栄一役の吉沢亮、徳川慶喜役の草なぎ剛のほか、ベテランから若手注目株まで豪華キャストが集結。連続テレビ小説[あさが来た]などの大森美香が脚本を担当する。
物語は、栄一が新政府を辞め、実業界で一筋縄ではいかない強力なライバルたちと熾烈な戦いを繰り広げる中、家族にもさまざまな大きな出来事が発生。そして、経済成長を続ける日本に軍国主義の影が忍び寄り、栄一は自分のしてきたことについて自問自答するが、「日本を守る」という強い意志を胸に世界へ飛び出していく姿が描かれる。
クライマックスを迎える物語では、明治新政府を辞め実業界に飛び込んだ栄一の姿が紡がれる。今回の出演者発表は第8弾となる。今回発表されたのは、そんな栄一の一族や、関わる女性たち、そして実業界の強者たちを演じる13名のキャスト陣。
■渋沢家とその一族
渋沢家とその一族からは、泉澤祐希が栄一(吉沢)の息子・渋沢篤二役。栄一が偉大な実業家となるほど、嫡男の立場を重圧と感じるようになり、やがて放蕩(ほうとう)を重ねるようになる。
笠松将が演じるのが、栄一の孫・渋沢敬三。父・篤二が廃嫡されることになり、跡継ぎとして白羽の矢が立てられる。そして、75歳の祖父が19歳の自分に頭を下げて懇願する姿に衝撃を受けて、生き方を模索する日々が始まる。
栄一の娘で歌子の夫・穂積陳重を演じるのが田村健太郎。穂積は、歌子とお見合い結婚し、法学者として日本の民法制定などに貢献。千代(橋本愛)が亡くなってからは歌子とともに、素行の悪さが問題視された篤二の親代わりになる。
栄一の娘・渋沢琴子を演じるのは池田朱那。しっかりした姉・歌子と奔放な弟・篤二との間で育つ。その琴子の夫・阪谷芳郎を演じるのが内野謙太。阪谷は、かつて栄一が一橋家の人選御用で親交を深めた岡山の漢学者・阪谷朗廬の息子。大蔵省に勤務して琴子と結婚した後、大蔵大臣、東京市長などを務めることになる。
■明治の女性・実業界
栄一たちと関わりを持つことになる明治の女性たちでは、大河ドラマ初出演の大島優子が、豪商・伊勢八の娘・伊藤兼子(かねこ)を演じる。維新後に家業が大損失して没落し、路頭に迷う妹たちを養うために、芸者として身を立てることを決意。門を叩いた置き屋で、三味線の師匠として出入りしていたやす(木村佳乃)と出会う。
ほか、愛希れいが井上馨(福士誠治)の妻・井上武子。大隈重信の仲介で馨と再婚した武子は、西洋風の社交術を学び、千代たち女性のよき先生となって大活躍。後に外務卿となった夫の鹿鳴館外交を支え、「鹿鳴館の華」と呼ばれるようになる。駒井蓮が、井上馨の姪であり養女として迎えられた井上未子。呉城久美が、益田孝(安井順平)の妻・益田栄子。菅野莉央が、大倉喜八郎の妻・大倉徳子を演じる。大島サン、愛希サン、駒井サン、呉城は大河ドラマ初出演。
実業界からは、岩崎弥太郎(中村芝翫)の弟で、兄である岩崎弥太郎の急死後に三菱商会の2代目社長に就任する岩崎弥之助を忍成修吾。大倉喜八郎を岡部たかし、第一国立銀行の行員・佐々木勇之助を長村航希が演じる。
ストーリーはラストスパートへ突入。栄一が飛び込んだ商いの世界には、まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)が 跋扈(ばっこ)していた。新政府を辞め、実業界の先頭をひた走る栄一。一筋縄ではいかない強力なライバルたちとの戦いの火蓋が切られる。その熾烈(しれつ)な戦いのさなか、家族にも大きな出来事が……。栄一は夫として、父として、家族を守り、未来へとつなげていくことができるのか?
▽泉澤祐希コメント
大河ドラマは毎度、嬉しさと緊張の入り混じった気持ちになります。この作品に携わらなかったら、一生知ることのできなかったことを知る機会でもあります。その当時、その方々がどのように生きてきたのか、どのような心情だったのか。学ぶことも多くあります。『青天を衝け』では渋沢栄一の息子である、渋沢篤二を演じさせていただきます。風流才子、多趣味、そして人当たりの良い方だったと聞きます。楽しみながら渋沢篤二さんを生きられればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
▽笠松将コメント
長い期間、大切に作られてきた作品のラストを飾れることを、とてもありがたく思います。
僕は渋沢栄一の孫、敬三を演じますが、渋沢栄一(吉沢亮さん)からもらったパワーを、この大河に込めようと思います。
視聴者の皆様も日々大変な状況が続きますが、そのパワーがみなさんにも届くと信じています。
ぜひ最後までお楽しみください。
▽田村健太郎コメント
渋沢家の婿になります。なんと誇らしいことであり、なんとおそろしいことでしょうか。
穂積陳重(ノブシゲと読みます)は、栄一の支えとなり、裏の家長として渋沢家の礎を築いてゆこうと奮闘します。
増えていく家族の中で、「渋沢栄一」という強大なエネルギーに振り落とされまいと必死に自分の役割を全うしようとする。そんな彼の渋沢家の一員としての愚直な覚悟に、僕は胸が熱くなります。
穂積の生きざまを感じていただけるよう精いっぱいやらせていただきます。
▽内野謙太コメント
阪谷芳郎役、内野謙太です。
琴子さんの夫として、そして渋沢家の一員として頑張ります!
初めて出演させていただいた大河ドラマが『徳川慶喜』で、子役として七郎麿さまのお付きの役でした。20年以上たち再び大河ドラマの中で慶喜様とお会いできないかなぁと密かに思っています…。
▽池田朱那コメント
青天を衝け、渋沢栄一の次女、渋沢琴子役を演じさせていただきます。
私自身『青天を衝け』を観させていただき、渋沢栄一という人物が、どれだけ大きな愛情に満ち溢れ、どれだけ才能に恵まれ、どれだけ偉大なことを成し遂げた方なのかということを初めて知りました。
素晴らしい作品に出演させていただけたこと、素晴らしいお父様と家族になれたことをとても光栄に思っております。
最終話までもう少しです。
最後まで、よろしくお願い致します。
▽大島優子コメント※大河ドラマ初出演
社会事業に尽力し、日本経済の要となっている最中の渋沢栄一と深く関わり、渋沢家の発展にも一翼を担うことになる伊藤兼子を務めさせていただくこととなりました。
初めての大河ドラマです。お話がきたときは、喜びと興奮で、歓声をあげました。しかし、その歓びも束の間、もうゴールが見えてきているではありませんか。この作品を彩ってきたスタッフの皆様、そして出演者の皆様、携わっているすべての方の費やしてきた時間と重みを一身に受け止めて、大切にバトンを握り締めようと心に決めました。最後まで、振り落とさずに走り抜けたいと思います。応援のほど、よろしくお願いします。
▽愛希れいかコメント※大河ドラマ初出演
井上馨の妻・井上武子を演じます、愛希れいかです。
時代の変化に臆することなく、夫を支え、海外での日本の地位向上のために努力し、強く明るく生きる武子の姿は同じ女性としてとても格好良いなと感じました。
私にとって新たな挑戦で、緊張していますが、大河ドラマ『青天を衝け』に出演できる喜びと幸せを胸に、精いっぱい努めて参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
▽駒井蓮コメント※大河ドラマ初出演
初めて大河ドラマに参加させていただくことになり、本当に嬉しいです。また、以前から『青天を衝け』を拝見していたのですが、時代が多様に変化する中で突き進む人々のエネルギーに圧倒されていました。
末子は、堂々さとしなやかさ、そして世界に開けた心をもち合わせた人物だと思っています。末子なりの時代との向き合い方を模索しつつ、1シーン1シーン楽しんで撮影に臨みたいです。
▽呉城久美コメント※大河ドラマ初出演
念願の初大河ドラマ出演が叶いました。
当時の女性は今と比べて沢山の制約もあったでしょうが、新たな時代の到来に女性たちも、不安を感じつつ、一方でとても胸を高ぶらせたんじゃないだろうかと思います。
この役を頂いた私も、今同じ気持ちでいます。
この高ぶりも栄子さんにのせて、誠実に演じたいと思います!
▽菅野莉央コメント※大河ドラマ初出演
大倉徳子役を演じます、菅野莉央です。
実際に現場に立たせていただいて、スタッフ、キャストの方々がとても丁寧に一つ一つ積み上げてこられたのだなと感じ、そのような作品に参加させていただくことを、改めてありがたく思いました。
同時に、大きく変化してゆく社会に生きた女性たちの強さ、ユーモラスな部分を垣間見たようで、演じながらワクワクしました。
一視聴者としても、放送がとても楽しみです。
▽忍成修吾コメント
三菱といえば岩崎弥太郎の印象が強かったのですが、今回弟の弥之助を演じるにあたって調べていくととても凄い人物で、あまり知らなかった自分が恥ずかしくなる程でした。『青天を衝け』では兄の弥太郎の勢いに置いていかれないように食らいつきながらも、共に三菱を牽引し奮闘しております。渋沢と岩崎の合戦を楽しんでいただければ幸いです。
▽岡部たかしコメント
演じさせていただく大倉喜八郎は、どうやらいい意味イケイケで商売の才もえげつなくあり、鉄砲売ったり、企業、大学、ホテル、劇場などをガンガン創業したり創設したり設立したりと、とにかく創って忙しい。それらは今も輝かしく現存しています。
新一万円札の顔になってもいいというくらいの人物ですよ。
彼の豪快なエネルギーを自分に注入し皆さんが創りあげてきたドラマをさらに盛り上げたいと思います。
▽長村航希コメント
佐々木勇之助を演じます、長村航希です。毎週楽しみに観ていたこの作品に参加できることになり、嬉うれしい気持ちでいっぱいです。佐々木勇之助は、生涯にわたって栄一さんの仕事を支えた人物です。まだ創立間もない第一国立銀行で「勤勉精励、謹厳方正な仕事ぶり」と栄一さんに見出みいだされるところからその人生は始まります。吉沢さん演じる渋沢栄一の背中を追いかけながら、毎シーン丁寧に積み重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
▽菓子浩(制作統括)コメント
渋沢栄一は、1926年と翌27年、2年連続でノーベル平和賞の候補になっています。
「渋沢さんって、たくさんの会社を作った経済の人だよね?」初耳の方は、意外に思われるかもしれません。
実は、日本の発展のために走り続けた栄一は、晩年、慶喜の名誉回復、福祉や教育事業、そして外国との懸け橋となる民間外交に全力を尽くしました。そして、その志を次世代へとつなぐため、家族との時間も濃密になっていきます。
『青天を衝け』いよいよラストスパートです。あらたにお迎えしたすばらしいキャストの皆さんと一緒に、駆け抜けたいと思います。最後までドラマチックな展開が続きます、どうぞご期待ください!
大河ドラマ『青天を衝け』は、NHK総合にて毎週日曜20時放送。BSプレミアム、BS4Kにて18時放送。