向井理の祖母・芦村朋子の手記をもとにした『いつまた、君と 〜何日君再来(ホーリージュンザイライ)〜』が、6/24より全国で公開される。

芦村朋子は、不慣れな手つきでパソコンにむかい、亡くなった夫・吾郎との思い出を手記として記録していた。しかし、朋子は突然倒れてしまう。そんな朋子の代わりに、孫の理が手記をまとめていくことに。そこに綴られていたのはいままで知る事の無かった、戦中・戦後の困難な時代を生きてきた祖父・吾郎と祖母・朋子の波乱の歴史と、深い絆で結ばれた50年に及ぶ夫婦と家族の愛の物語だった――。

本作で描かれるのは、衣食住もままならない戦後の混乱期を舞台に、戦後の混乱期、朋子とその夫・吾郎が、時代の波に翻弄されながらも日本人としての誇りを失わずに懸命に生きる50年におよぶ愛の物語。

原作の[何日君再来]は、大学生時代の向井君が3年前に亡くなった朋子さんが若くして他界した夫への思いをつづった手記を、パソコンで打ち直し、家族や親戚とともに自費出版したもの。同書は卒寿(90歳)を迎えた朋子にお祝いとしてプレゼントされた。向井君は7年前から[何日君再来]の映画化を熱望しており、企画にも参加し、強い思い入れを持って本作に臨んでいる。映画では、現代の朋子が書き綴った手記を、孫の理が1冊の本にまとめていく過程で過去を振り返っていく回想形式によって語られる。

どんな困難な状況でも常に明るく夫を支える、主人公・芦村朋子役を務めるのは、尾野真千子。度重なる不運に見舞われながらも、妻・朋子や子供たちの大黒柱であり続けた夫で吾自身の祖父である郎役を、向井理が演じる。なお、尾野サンと向井君が夫婦役で共演するのは今回が初めて。向井君が主演を務めたNHK連続テレビ小説[ゲゲゲの女房]やのNHKの大河ドラマ[八重の桜]の山本むつみが脚本を手がけ、[白夜行][神様のカルテ]の深川栄洋監督がメガホンを取った。

俳優としてキャリアを重ねる中、[ゲゲゲ−]で脚本家の山本むつみサンと出会い、ついに決意。家族愛が繊細に描かれた台本に感動していた向井君は10年8月の同作の打ち上げで「これを映画にしたいんです」と山本サンに脚本を直談判。さらに、映画[きいろいゾウ]の撮影終了後の12年5月に、同作のプロデューサーに企画を語り、映画化へ動き始めた。


▽向井理コメント
祖母が書いていた手記は、「こういう人たち(自分の祖父母)がいたから、今の自分がいるんだ」と考えるきっかけになったので、俳優という仕事をさせて頂く中で、いつかこの話を実現してみたいと思っていました。
すべての人にファミリーヒストリーはあると思うので、この作品は観る方自身が主人公だと思います。戦後は苦労した人も多く、困難な時代を乗り越えて今の時代があるので、自分の家族や親戚や先祖のことを少しでも振り返って思い出すきっかけになっていただけたらいいなと思います。時代が違っても家族という単位は常に変わらない、すごく身近で切っても切れない関係性がありますが、今はそれが当たり前になっているので、改めて当たり前のことを見つめ直すきっかけになる作品になればいいなと思います。

*祖母・芦村朋子について
わりとおばあちゃん子でした。生まれた時から傍にいましたし、ずっと近くにいた存在です。週末はよく泊まりに行きましたし、晩年は一緒に住んでいました。

*尾野真千子の印象
彼女がいるだけで現場が明るくなって、笑っていてくれるだけでも幸せな気持ちになれるので、そういう方と一緒にやれたのは財産です。

*深川栄洋監督の印象
深川さんは、真の演出家だと思います。1シーンごとに話をしますし、細かい心理描写を説明して導いてもらえるんです。「深川さんとやってます」というと、周りの俳優さんからも羨ましがられるので、そんな風に信頼されている監督と、個人的に思い入れのある作品をやれたことが本当に有難いです。

*脚本家・山本むつみについて
むつみさんとの出会いは2010年の「ゲゲゲの女房」という朝ドラで、むつみさんが書いた脚本の作品に出させていただき、すごくいい台本だなと毎週、毎話、思いながら演じていました。「何日君再来」はこういう方に書いていただきたいと思って、「ゲゲゲの女房」の打ち上げの席で不躾ですがお渡しして「いつか書いてください。」とお願いしたのを憶えています。この作品も、とても良い脚本にして頂いて有難いなと感じています。

▽尾野真千子コメント
脚本を読ませていただいて、本当にすごい人生で、これが実話だとはとても思えませんでした。それでも明るく生活していて、こういう素敵な夫婦もいいなと思いました。(私が演じた朋子は、)脚本を読んでとても素敵な女性像の方だったので、厳しい時代でもいつも笑顔でいようと、どんなことがあっても笑顔で支えていけたらいいなと思いながら演じました。いろんなことを感じて頂いて、泣いたりしながらも、最後にほっこり笑顔で終われる作品になっていると思います。演じた私自身も、完成した作品を観て、物語の中に入ってしまいすごく泣いてしまいました。

*向井理の印象
本当に素敵な方です。人に優しく、芝居に厳しくて。この作品は向井さんのおばあさんのお話なので、現場では「本当はこうだったんだよ。」「本当にこの通りなんだよ。」といろいろ教えてもらって、背中が大きい人だなと感じていました。
この作品の話をいただいた時も、“向井理の企画作品”ということでしたので、脚本を読むよりも前に飛びつきました。

*深川栄洋監督の印象
本当に面白い監督です。私が想像しているよりずっと先のアイデアをいただけて。自分では考えつかないことばかりでしたので、もっともっと話を聞きたいと思える方でした。

*芦村朋子・吾郎夫妻について
大変なことばかりあった夫婦ですが、その大変さが“幸せ”に見えて、夫婦って素敵なんだと改めて思わせてくれるご夫婦でした。
辛いことを辛いと思わないように生きていける、朋子と吾郎の夫婦のようでありたいし、この夫婦のように主人を見ていたいと感じました。

▽深川栄洋監督コメント
戦後は大変な困難な時代の中で、悔しい想いをしていた人が多かったと思いますが、そんな時代でも、いがみ合うことなく仲が良いという家族の在り方がすごく羨ましいと思える“家族”でした。本作は、昔と今の家族を描いた作品ですが、ただ悲しい辛かっただけではなく、30〜40年後にその思いは報われるということを感じて頂けると思います。
誰にでもある、初めて人にときめいた瞬間、その人について行こうとか、その人を好きになるという瞬間を感じて頂けると思いますし、映画とともに振り返って頂ければと思います。
“人生は美しい”と感じてもらえるような映画になっているといいなと思います。

▽山本むつみコメント
2010年、朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」を撮り終わった時、「これを映画にしたいんです」と、向井さんから手渡されたのが、お婆さまが書かれた手記「何日君再来」でした。それは、困難な時代を明るく生き抜いた家族の記録であると同時に、若くして亡くなった夫・吾郎さんへの思いを綴った、切なく美しいラブレターでもありました。ひたむきに咲く野バラのような朋子さんと、躓きながらも真っ直ぐに生きる吾郎さん。揺るがない愛情で結ばれた二人が紡ぎ出す、強くて温かい夫婦の物語が、沢山の人の胸に優しい思いを届けてくれることを願っています。


映画『いつまた、君と 〜何日君再来〜』が6/24から東京・TOHOシネマズ新宿ほか全国で公開。