俳優の井浦新と成田凌が共演し、かなた狼が監督を務める『ニワトリ☆フェニックス』の製作が明らかに。本作の支援を募るクラウドファンディングがWebサイト《うぶごえ》にて6/11 20時から8/29 23時59分まで行われる。

【ニワトリ☆フェニックス】は2018年3月に公開された[ニワトリ★スター]のパラレルワールドをつづる作品としてかなたが構想を練ったもの。続編ではなく、新たな作品として制作される。[ニワトリ★スター]と同じく、井浦新が雨屋草太、成田凌が星野楽人役で出演。劇中では草太と楽人が都市伝説の“火の鳥”を探す旅に出る。

[ニワトリ★スター]は、奇妙なアパートで自堕落な共同生活を送る、くたびれた大麻の売人・草太(井浦新)と全身タトゥーの赤髪モヒカン男・楽人(成田凌)、その周辺の人々を描いたバイオレンスファンタジー。楽人がシングルマザーの月海と生きていくと決意したことで、生活が一変。ヤクザの魔の手が忍び寄り、2人は予測不能な事態に巻き込まれていく……。一方の『ニワトリ☆フェニックス』は、草太と楽人が都市伝説の“火の鳥”を探す旅に出るという設定で、ふたりの旅を追体験するような新感覚のロードムービーになるという。映画の上映時間は約90分を予定しており、ふたり以外の出演者は現在、キャスティング中。

製作に至るきっかけは、3人のインスタグラムのみで公開された、2018年3月に公開された映画[ニワトリ★スター]の、2年後の2020年5月、かなた狼監督、井浦サン、成田君の発案で、初めての緊急事態宣言下の昨年5月に、エンターテインメントを好きでいてくれる人々への感謝の気持ちを形にしたリモート作品[ありがとう]を発表。作品を作るという行為は「終わらない」旅のように楽しみ続けることができるものと言っていたかなた監督は、[ニワトリ★スター]のパラレルワールドとして、『ニワトリ☆フェニックス』の構想を始め、観客も一緒に楽しんでもらえるように、映画製作に参加できるクラウドファンディングを考え、[ニワトリ★スター]の続編ではない、新たな作品として製作を決定。

クラウドファンディングプロジェクトの目標金額は888万円。非公開Facebookグループ、かなた監督に集うスタッフチーム、通称「狼組」への招待や非売品の撮影台本などが盛り込まれた5,000円の「『ニワトリ☆フェニックス』まるわかりセット」、3万円の「フルコンプリート☆がり(ほしがり)セット」が用意される。寄せられた支援は製作費の一部として使用。クラウドファンディング参加者はスタッフや出演者と共に完成を迎える「仲間」となり、ストーリーの大半を共有できるほか、ロケハン、撮影、編集、宣伝の過程をリアルタイムで体験できるとのこと。 参加者には限定グッズや完成披露試写会への招待など、特別プランも用意している。


▽井浦新コメント
先に逝った仲間へ「ありがとう」のケジメをつけるために、そして、かなた狼監督との約束を果たし、お互いに決着をつけるために挑んだ【ニワトリ★スター】は、大切で特別な作品となって飛んでったけど、やっぱりそれで終わりじゃありませんでした。
まぁどこかで終わらせたくなかったし、結局は始まりでしかなかったんですよねぇ。また草太として楽人と生きるのかぁ、あのむちゃくちゃなみんなと烈しく過ごすのかぁ、かなた狼監督と映画の旅の続きをするのかぁ、あぁ大変だ。想像するだけで武者震いがする。簡単に嬉しいですなんて言えないけれど、狼組でギザギザな日々をまた過ごせることに、歓喜しています。楽しみです。
再びニワトリで、今のこの困難な状況に、この一変してしまった時代に、狼組らしく落書きするならば、今度はあなたへ、あなたへ、あなたへの「ありがとう」を絵描きたい。そして、この作品と共に全国のミニシアターを巡って映画の旅をしながら、あなたに直接「ありがとう」を伝えたいです。

▽成田凌コメント
昨年、ぴったりと世界が立ち止まって、改めて気付かされることがありました。
自分は日々輝かせてもらっていたという事、役がないと、何者でもないという事、映画が好きだという事。芝居が好きだということ。そんな私の役者人生の始まりとも言える作品が、『ニワトリ★スター』です。
役者デビューして間もない頃、ただ必死にお芝居をやっていた自分に、芝居の楽しさや苦しみ、恥。
そして映画が出来るまでにどれだけの苦悩があるのかという事を体で、心で感じさせてくれました。
全力で出し切り、自分の中の大切な部分にしまっておきました。
しかしまだ旅の道中だったとは。なんだか終わっていない気はしていましたが、こういうカタチで帰って来るのかと、驚きと喜びと不安が入り混じっています。
同じ役、違う物語。少々無駄に大人になってしまった部分もありますが、自分の中の楽人を引っ張り出して、存分に楽しみたいと思っております。
こんな時代ですが、どんな人でも前向きになれる作品になります。
草太に。楽人に。久々に会えます。楽しみです。(ファッキンロックンロール)

▽かなた狼監督コメント
コロナウイルスによる困難が社会を包むこの時代で、映画作品を生み出そうとする矛盾を私達も当然として感じております。ですが、こういう世界の中でも、私達にしか出来ない事があるとの想いもあります。
人間の心に潤いをもたらせる表現であり、娯楽でもあり、映画という一つの文化のあり方や存在意義。そういった事を苦悩しながらも、模索し本作の製作に向かう決断を致しました。
私たちで生み出した前作を超え再構築し、終わりから始まり。
不死鳥フェニックスという感覚に願いを込め、それを映画作品として一丸となり形にしたいと思っています。皆様のご理解とご賛同を心から願っております。


『ニワトリ☆フェニックス』は、2022年公開予定