愛しの白い丸

クリス（ジェイミー・ベル）は父子家庭で育つ子供。病弱の弟とは対照的に父に厳しく当たられており、その反動で問題を起こしてばかりいた。
そこへある日父の弟だという男が現れる。クリスは存在さえ知らなかった父の兄弟、二人には深い確執が秘められており―…。
実際の事件を元に作られたサスペンスドラマ。


事実に則した部分が多く、エンターテイメント性は薄いけど、事実に即しているからこそ学びとなる部分が多い。楽しい気持ちになれる映画じゃないけど、子供を持つ親、またこれから親になろうとする人たちは、一見しておいて損はないと思う。

事件の発端は兄弟の祖父（ジョンとディールの父親）の形見の金貨なのですが、ディールはその金銭的価値より、それを譲り受けることが象徴するものが欲しかったんだろうね。
結局手に入れても、事実譲り受けたのは自分じゃないからお金に換えただろうけど。

形は違えどこういう事件は世界各国で起こってます。ひとごとじゃなく身近なことと捉えることで、これからの人生に益となる部分が多いでしょう。


エンターテイメント性は薄いけど、逃亡生活の中での兄弟のやり取り（特に弟が以前読んだ本の話をするところ）などは、メッセージ性を持たせることで映画として観客を楽しませようという意図が感じられた。
映画として発信する以上、エンターテイメントとして成立させたかったんでしょうね。でもなかなか難しい。実際の事件を元にしていて、製作サイドが関係者に誠意を持って取り組もうとすれば、これは仕方がないね。

私は良作だと思うんですが、各レビューサイトを見ると評価はいまいちです。確かに映画として見るとちょっとぱっとしないですね。結構ダレる部分も多いです。
それでも興味があったら、時間を割いて観てみてもいいんじゃないかな。
主演は『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル。問題を抱える少年を好演してました。



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