観てきました。
主演は永遠のダンディ、リチャード・ギア。ヒロインはありのままに年を重ねるダイアン・レインです。
結婚生活に限界を感じ始めた主婦・エイドリアンは、友人の依頼でシーズンオフの別荘の管理を請け負った。客は一人だけ、医者のポールだ。二人は生活を共にするうち、次第に惹かれ始める…。

互いに人生に挫折した男女のラブロマンス。
エイドリアンは崩壊寸前の家庭を抱え、一方ポールは仕事面での問題を抱えている。お互い疲れた人生の中で、外界から隔絶された海辺の別荘に二人きり…。長らく恋をしてこなかった男女が、惹かれ合うのは無理もない。
ただ、タイトルがいうほど純愛じみたお話ではありません。お互いに結婚を経験していますし、その時点で“初恋”は嘘っぱち。これを“初恋”だと言い張るなら今までの人生を全て否定しなくてはなりませんが、この映画は当然そんなつもりもなし。原題は“Nights in Rodanthe”。…というわけで、日本の配給会社がロマンチックなタイトルをつけようとした結果、大々的な嘘をついてしまった形になっています。
中年男女が久しくしていなかった恋に落ち、再びその素晴らしさを知る…。そういう映画です。動機付けの薄い印象もありますが(主演二人の心情の変化が唐突で、ちょっとびっくりします)、そんなに悪くない映画だと思います。元々小説だったものを映画にすれば、少しくらい展開が唐突になるのも無理はないかな。

ラストの片付け方が納得いきませんが…。
恋愛を最高のものにするには、この終結がベストということかな。お互い傷付いた心で、頼るように恋に落ちている印象も受けた。長く一緒にいれば必ずほころびが出ただろう。

エイドリアンの家族、そしてポールが旅先で会う家族。
主演二人の恋愛模様もいいですが、脇のドラマも見どころです。

つくづく医療の世界は難しいと感じました。きちんとやっていても予想しないトラブルが起きるし、判断を誤ることもある。人を助けたくて医者の道を選んだのに、死を目の当たりにすることも多い。産婦人科を目指しても、中絶手術もしなくてはならない。
誰かがやらなきゃいけないし、やりがいのある仕事だとも思うけど、辛いこともたくさんあるね。辛くて耐えられないときに、みんなで支えてあげたいよ。