地味な女子高生・きよ子は公園で、穴にはまって出られなくなったおじさんと出会う。確かに首まですっぽりと穴にはまってしまい、おじさんを出そうにも、きよ子一人の力ではウンともスンとも言わない。
そんな状況を悲観したのか、おじさんはこのまま死ぬと言い出す。
そこできよ子はおじさんの為に、お気に入りの赤い傘を立て掛け、おじさんが雨で濡れないようにし、家までスコップを取りに帰ったのだ。
おじさんの埋まった公園まであと少しというところで、車に轢かれてしまったきよ子は、翌日、病院のベッドで目覚める。
あまりの怪我におじさんの事を忘れていたきよ子の前に、おじさんが突如現れる。きよ子が良かれと思って置いていった赤い傘のお陰で、きよ子以外の人からおじさんは発見してもらえず、きよ子を待っているうちに寒くて死んだのだというおじさん、基、シチサン。
とんだことだと思いつつも、どこか礼儀正しいシチサンは、きよ子の周りにしか現れられないと聞き、傘を立て掛けてしまった事もあり、憎めずにいる。
シチサンは現世に何かを思い残し、成仏出来ずにいたのだった。
『気障でけっこうです』
著者 小嶋陽太郎
発行元 株式会社KADOKAWA
ISBN 978-4-04-101991-7
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。