「森永製菓」(東京)を創業した佐賀県伊万里市出身の森永太一郎(1865〜1937年)の功績を紹介する企画展が18日、佐賀市の県立博物館で始まった。

「ミルクキャラメル」や「チョコボール」など時代を彩った同社のお菓子の歴史や変遷などが楽しめる。

森永は上京して陶器販売会社で働き、販路開拓のために渡米。
その際、西洋菓子と出会い、その後、約10年間は菓子製法の修業に転じた。1899年、広さ約6・5平方メートルの町工場「森永西洋菓子製造所」を開き、マシュマロなどを移動販売車で売り歩いたという。

その後、日本初となる西洋菓子製造の機械化を導入するなどして事業を拡大。高級品とされていたお菓子を、子どもたちの身近なおやつへと変えた。

会場には、マシュマロやキャラメルを切った森永愛用の製菓用はさみを始め、当時としては珍しかった新聞への全面広告や、類似品と区別する「エンゼルマーク」の変遷などが紹介されている。

また、創業当時の明治期からの生活文化の変化を感じ取ってもらおうと、年代ごとの菓子のパッケージやポスターも並ぶ。
キャラメルの包装がほとんど変わらないことや東郷青児ら巨匠画家がポスターを手がけていたことがわかる。歴代の「おもちゃのカンヅメ」も展示されている。

訪れた佐賀市東与賀町の男子学生(20)は「子どもの頃から食べているお菓子が多くあった。佐賀出身の偉人の活躍を多くの人に知ってもらいたい」と話していた。

同館は「3世代が一緒に楽しめる。夏休みに、懐かしいお菓子や好きなお菓子を見にきては」と来場を呼びかけている。

9月7日まで。大人300円、高校生以下無料。
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