アメリカでマスク義務の撤廃相次ぐ 「パンデミック疲れ」も影響か

2/10(木) 11:58
毎日新聞

 米国で新型コロナウイルスの感染状況が改善する中、各州でマスク着用義務の撤廃が相次いでいる。東部ニューヨーク(NY)州のホークル知事は9日、レストランなどの屋内ビジネスでは10日から着用義務を撤廃する方針を発表。厳格な新型コロナ対策をとってきた州でも「正常化」に向けた動きが加速してきた。

 撤廃の対象になるのは、レストランや小売店、娯楽施設など。ただ、施設側が独自の判断で客に着用を求めることもできるため、対応にはばらつきが出そうだ。また、学校や病院、公共交通機関では着用義務を続ける。中心都市のNY市では、レストランなどでのワクチン接種証明の提示義務も続く。

 NY州では変異株「オミクロン株」の拡大で、1月上旬に1日あたりの新規感染者が過去最悪の9万132人に達したが、2月8日時点で6041人まで減った。ホークル氏は「非常に良い方向だ」とした上で「このパンデミック(世界的大流行)の新たな局面に近づいている」と述べた。

 撤廃の動きは各州で始まっている。東部マサチューセッツ州では幼稚園から高校までの生徒らを対象にした着用義務が月末に解除される。中西部イリノイ州でも学校は対象外だが、レストランやデパートなどでは月末に解除される。ニュージャージー州、デラウェア州、オレゴン州などでも同様の動きが出ている。

 共和党地盤の州だけでなく、NY州など厳格な規制を敷いてきた民主党地盤の州でも撤廃の動きが出てきた。背景には、感染状況が落ち着いてきたことに加え、「パンデミック疲れ」で長引く規制への不満が高まっていることもある。