ベトナム代表パク監督、日本の対応に大激怒「あまりに行きすぎた防疫措置」「プライドが傷つけられた」

3/28(月) 17:55
ゲキサカ

 ベトナム代表のパク・ハンソ監督が28日、カタールW杯アジア最終予選・日本戦(29日・埼玉)の前日オンライン会見に出席し、日本政府による防疫措置に怒りをあらわにした。

 ベトナム代表は今回、韓国語通訳が来日時の新型コロナウイルス検査で陽性判定を受け、韓国語を話すパク監督とベトナム語で話す選手たちとのコミュニケーションが不可能に。28日の検査でも選手・関係者3人が陽性判定を受け、試合への参加ができない状況となっていた。

 会見に出席した指揮官はベトナムのメディアから陽性者に関する質問を向けられると、「ベトナムサッカー協会と日本サッカー協会は友好的な関係にある。今後も長く続くことを心から願っている」と前置きした上で、5分間以上にわたって怒りをぶちまけた。

「私どもはアウェーの戦いに来たチーム。ホームの防疫措置に対して、遵守するのは義務であると思っている。それは当然だと思っているが、あまりにも行き過ぎていると思っている。私たちはベトナム代表としてアウェーの日本に試合をしに来ている。あまりに行きすぎた防疫措置により、不当な扱いを受けている。プライドが傷ついたし、主催国の日本にホームとしての配慮、アウェーの国への尊重が足りないと思っている」

「こうした状況で監督として抗議すべきだと思い、抗議したが、防疫義務違反で3日間隔離すると言われた。抗議しただけで隔離されるなら喜んで隔離されて構わない。しかし、チームの代表として、監督として、私が抗議するのはチームのためにも当然だと思っている」

「また防疫の基準も問題だ。ベトナムでは陽性のCt値基準が36以下で、日本は40だという。判定基準が違う。日本が40を基準にしているのは日本到着まで知らなかった。40だということを知らせるべきではなかったか。今朝も3人が検査を受けて陽性ということで隔離されたが、数値は38から39だった。ベトナムでは陽性とされない数値だ」

「通訳をしてくださっている通訳も彼は簡易キットで陽性判定が出てから隔離している。その後、彼と間接的に接触をした人は食事も別に取っている。通訳にPCR検査をきちんと受けさせてほしいと何度も要請したが、ずっと断り続けられた。私は韓国人で、ベトナム代表の監督をしている。通訳がいないと選手たちと意思疎通はできない。もう少し配慮していただけないかと申し上げたが、NOの一点張りだった。私たちはプライドも傷つけられたし、ベトナム代表チームの監督として残念な気持ちでいっぱい。もう少し配慮していただけたらと思う」

 試合に向けては「ベトナムのチームはいい状況とは言えない。来日メンバーも感染者が多く、20人のみの来日。負傷者も続いており、感染者が出て戦力的に弱体化していると憂慮している」としながらも「アウェーで日本という非常に強いチームと戦うという難しい状況に置かれているが、最終戦ということで最善を尽くしたい」と前向きに意気込みを語ったパク監督。それでも来日時の対応には怒りが収まらない様子だった。