県内でご当地検定の先駆けとして注目を集めた「唐津・呼子イカ検定」が23日、8回目の開催をもって、その歴史に幕を閉じる。当初は全国から約450人の受験生が殺到したが、徐々に減少し昨年は10分の1の44人まで落ち込んだ。主催する検定委員会の山下正雄会長は「呼子イカのブランド力を高める目的は達成できた」と、役割を終えたとしている。

呼子イカ検定は、2006年8月、兵庫県の「明石・タコ検定」を参考に「タコがあるならイカの検定も作ろう」と、町内で干物を販売する山下さん(63)やホテル関係者ら16人が委員会を立ち上げてスタート。
メンバーが問題を手作りし、07年2月に1回目を開いた。

4択式で100問中、70点以上で合格。認定証を提示すればイカ料理店などでサービスが受けられる物珍しさも話題となり、初回は予想を上回る448人が受験した。イカで全国的な知名度を誇る函館市漁協が「先進地視察」したり、東京の劇団員がイカや海賊のかぶり物を着け検定に参加することも。

しかし、全国で「ご当地検定」が70以上に増え、徐々に注目度も低下した。3回目からは記述式検定「イカマイスター」を新設し、町内の朝市通りにモニュメントを建てて合格者名を彫る特典を付けたが、受験者減少に歯止めは掛からなかった。昨年の7回目開催後に終了を決めた。

23日のラスト検定は32人が受験予定。山下会長は「今後は別のアイデアを出して地元を盛り上げていきたい」と話す。
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