花よ散れ
芽吹く碧でやわらかく
空と影とわたしを覆って

別れなど
淋しくないと強がらせ
花びらの奥の息づかいを教えて


終わることが怖くて
歩けなくなったのは
一体いつからだろう
去りゆく陽が見せる
淡い色の果ての
意味すら見失って

悲しいものに慣れた
心を持ちすぎたんだ
打ちひしがれたなら
空を見上げてご覧
そう言って何かが
ひしゃげる音を聞く


花よ散れ
芽吹く碧でやわらかく
空と影とわたしを覆って

別れなど
淋しくないと強がらせ
花びらの奥の息づかいを教えて

花が散る
この道の真ん中を
風がなぶり空気を染める

去り際は
どうしても淋しいけど
胸の奥底の景色はどこへも行けない




話題:突発的文章・物語・詩