……………



山頂にある 屋敷(いえ)に向かうため“ベルにゃんとさなのへや”の敷地(しきち)を後(あと)に

4人は“山頂へ続く道”に足を踏(ふ)み入れました………

山肌(やまはだ)に沿(そ)って道が山頂(さんちょう)へと続いています
太陽(ひ)が傾(かたむ)き
空が橙色(オレンジ)に染(そ)まっていました………


「ワタシが先頭 ももか すもも さな……の順で いいかにゃ?」



「いいよ〜」
( ̄▽ ̄*)/ 」



「ちょっと魔物!
わたしと ももか の順を 入れ替えなさいよ!」



「にゃにか 問題かにゃ?」


さっそく もめているようです…………



「え〜
すもも なんで?
( ・◇・)? 」



「ももか が魔物の後ろでも
あんしんできない!

わたしが ももか を守るんだから!!」



「…………わかったにゃ


ワタシ すもも ももか さな の順(じゅん)で いいかにゃ?」



「それで いいわ
少しでも 変な素振(そぶ)りをしたら………

後ろから………

斬る!!」



「……おっかにゃいにゃ〜」



「えぇ〜〜〜!?
Σ(´□`;)

ダメだよ すもも〜

ベルにゃん を斬っちゃ…」


「ももか……

相手は魔物

けっして気をゆるしては

だめ…」



ももか の前に すもも が出て ベルにゃん を睨(にら)みます



「ベルにゃん なら だいじょうぶ

ももか達を傷つけたりしないよ……

ねっ!」



最後尾(さいこうび)の
さな から 信頼(しんらい)に満ちた声が聞こえます………


「もちろんにゃ
さにゃ……

友達(とも)を傷つけたりしにゃいにゃ……」



すもも に背中を見せ ベルにゃん は歩き始めます



「どんな理由が あろうと
魔物とは 仲良く できない……」



「すもも〜〜

ベルにゃん となら仲良くなれるよ (^^)d 」



すもも ももか が ベルにゃん の後(うしろ)に続いて歩き出します



「ひと と魔物でも なかよく できるんだよ……

すもも にも いつか
そんな日が
来ると いいな……」



最後に さな が続きます……



「そんな日は こない……

たぶんね……」



「すもも って頑固だよね〜
( ̄O ̄;) 」



話ながら 4人は山道を登ります 少し歩いては階段
少し歩いては階段で 徐々(じょじょ)に高く登っていきます……

太陽は山の向かうに隠れ
だんだん 辺りが暗くなってきました



「まだなの?
魔物……

…………!

わたし達を 騙(だま)してるんじゃ……」



「ベルにゃん……

ちがうよね……

(;゜Д゜)) 」



すもも の言葉に ももか は不安に なります

何しろ 初めての場所です
辺りは暗く 気温も下がり 肌寒くなってきました…

暗がりのなか 近くに滝があるのか 激しい水音(みずおと)が 響(ひび)いてきます…………



「……ももか……すもも……

もうすぐ 頂上にゃ……」



「魔物の 言うことなんて…

信じられない!」



「すもも〜〜

ベルにゃん のこと
信用(しんよう)しようよ〜
( ̄▽ ̄;) 」



「すもも……ももか……
ほんとうに もうすぐだから………」



山道を登りきると 開(ひら)けた山の頂(いただき)に
満天(まんてん)の星空が広がっていました……


星明(ほしあ)かりの中(なか) レンガのブロックとステンドグラス・ブロックを組み合わせた門柱(もんちゅう)が
4人を出迎(でむか)え

石造りのブロックを積(つ)んだ巨大な壁が視界(しかい)をふさぎ
屋敷(いえ)全体が見えません……



「………おおきいね
(@ ̄□ ̄@;)!! 」



「………………

これが 魔物の……いえ……」



ももか と すもも は
圧倒(あっとう)されて いるようです



「こっちにゃ……」



二本の常緑樹の間を抜けると右手に入り口があり 壁に置かれたランプの中 夜光石(やこうせき)が
橙色(オレンジ)の光を灯(とも)していました………


「 Σ( ̄□ ̄;)

ベルにゃん サクラ!!」



「ここにも サクラが……」


建物(いえ)が建つ 敷地(しきち)の角(かど)に サクラの木を 見つけて
ももか と すもも が
声(こえ)をあげます………



「にゃ?

サクラが気になるのかにゃ?

ももか……」



「うん……

サクラ だ〜いすき
(≧▽≦)/ 」



「庭は 広くないにゃ

さな と一緒(いっしょ)に
廻(まわ)ってくると
いいにゃ……」



「 Σ(´□`;)
えぇ〜〜

ベルにゃん も
いっしょに来(き)てよ!」



「ももか を 魔物と二人きりにはできない……

わたしも行く!」



すもも が ももか の前に出て 腰に差した片手剣の柄(つか)を握(にぎ)ります………



「すもも〜

すぐに剣を にぎるのは やめようよ
(* ̄∇ ̄)ノ 」



「にゃ……

すもも………

ももか 守るため……

警戒心(けいかいしん)は そのくらい あったほうが いいのにゃ……」



「………魔物に

……言われるまでもない」



すもも は剣の柄(つか)から その右手を離しました………



「ベルにゃん 家(さき)に
入ってるね」



「さにゃ………

案内したら すぐに行くにゃ……」



すもも と ベルにゃん のやり取りに
安堵(あんど)した さな は邸内(いえ)に 入って行きました……………



「ももか……すもも……

こっちにゃ

早く廻(まわ)って家(なか)に 入るにゃ……」


ベルにゃん は 共和国服(黄)の上下を着(き)ていました 共和国(マーロ)が南に位置するとはいえ 1の月の夜は 冷えます
山頂にある この場所は さらに寒く感じるのです



「ベルにゃん

何本くらい あるの〜?

(´・ω・`)? 」



「そうにゃ〜

5,6本は あると思うにゃ……」



「魔物……

これは?」



「そこは 水汲(みずく)み場にゃ……
調理に使ったり
洗い物をしたりする所にゃ……」



「ほんとだ
白いお皿が置いてある〜
ヽ( ̄▽ ̄) 」



石のブロックを組み合わせた囲(かこ)みの中に
湧(わ)き水が貯(た)めてあります
ブロックの上に
取り込み忘れたのか
白いお皿が積み重ねたまま置いてありました…………



「……!!

魔物でも薪割(まきわ)り をするのか……」



切り株(きりかぶ)に手斧(ハンドアックス)が突き刺さっているのを すもも が見つけました



「暖炉(だんろ)にくべるための薪(まき)にゃ……

石造りの竈(かまど)にも使うのにゃ……


にゃ!
……先を急ぐにゃ…」



材木(ざいもく)が積(つ)んである庭の角(かど)を曲(ま)がり
ベルにゃん は先(さき)にすすみます………



「こっちにも 入り口が
あるんだ……

ここにも サクラ!!」



「そにょサクラは
家屋内(なか)からも
見えるのにゃ」



「お〜〜
Σ( ̄□ ̄;)
………」



「なかなか すてきじゃない……」



……………………



ベルにゃん は ももか と すもも に建物の周囲(まわ)りを次々(つぎつぎ)と 案内していきます………



「ベルにゃん

(丿 ̄ο ̄)丿 あれは?」


「あの階段を 登(のぼ)ると屋根(やね)に 上(あ)がれるにゃ」


「へぇ〜 ヽ( ̄▽ ̄)

のぼって いい?」



「あぶないよ ももか…


見たところ レンガづくりの屋根みたい だけど

大丈夫(だいじょうぶ)でしょうね 魔物?」



「100人乗っても とは
言わにゃいが
もちろん大丈夫にゃ

屋根に登るのは また今度にゃ」



「は〜〜い
( ̄∇ ̄*)ゞ 」



…………………………



「サクラ!!
(丿 ̄ο ̄)

あそこにも………」



敷地(しきち)の角(かど)に一本 サクラ が植(う)えてあり その根元(ねもと)には 赤い布を掛(か)けた木製の縁台(えんだい)が2つ……
それに 四角いチェックの絨毯(カーペット)が 敷いてあります
それ以外 遮(さえぎ)るモノはなく
遠くには降(ふ)りそそぎそうな星空を見ることができました……



「………すごい」



「 (m'□'m) ………」



すもも と ももか は
その景色(けしき)に言葉を失いました…………



「ここで こころゆくまで
花(サクラ)を見にゃがら…
ゆっくり……できる…

にゃ…

にゃ……

にゃくしょん!!」



「ベルにゃん が くしゃみした〜
( ̄▽ ̄;)\ 」



「ちょっと……

だいじょうぶなの

魔物……」



「さすがに 冷えてきたにゃ………

そろそろ 屋敷内(なか)に
入るにゃ……」



「ベルにゃん の お家(うち) なかは どんなだろうね〜
( ̄▽ ̄;) 」



「寒くなってきたわ……

ももか
わたしたちも入ろう?……」



「にゃ!

ようこそ 我が家へ (-.-)
…にゃ」


ベルにゃん は ランプの灯(とも)った入り口で
執事お辞儀(じぎ)をして
ももか と すもも を
自宅に迎(むか)い入れました……………………



魔物のベルにゃん そのいち… お正月 〜後編の1〜おわり〜
後編の2へ続きます……



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