前回のひとりごとから

ワタシは修道士としての
自信をなくし
違う職業に就くことにした……


……ソレは逃げなのかも
しれない





連邦酒場にある職業斡旋所(ハロージョブ)……

…ここで冒険者という名の無職者から
……修道士の道を選んだのだが……




……

………


「アナタに合うお仕事を ご紹介しますよ!」

いつもの明るい声がする

カウンターの方からだ…


せっかく就いた修道士だが…
気が重い……

いつも口数の少ないワタシだが…

職業を変えたいと
…なかなか
切り出せない……

どうしたモノかと
カウンター前で ひとり うつむき 黙っていると……



パートナーが ズバリと
切り込んできた…



「このヒト 転職したいんで!!
手続き お願いします!!」



ワタシは 恥ずかしさで 顔が真っ赤になっていた……

と思う…


肌が褐色なのと無愛想な顔をしているので
他人には 不機嫌な顔した チビっ娘が 何かブツブツ言っている様に見えた……
…だけだろう……




様々な職業の中から

ワタシは…


……騎士(ナイト)を選んだ


心の何処かで

まだワタシには
……他人を救いたい

という気持ちがあったから…………


しかしソレは傲慢(ごうまん)かもしれない…


…………


騎士とは華やかな職業だ
身分の高い者に仕え
その者の富と名声を高める為に剣を振るう
…だから装備品もきらびやかになる
主人の名を汚してはならないから…


騎士の試験官は王に仕えなくても いい…
“己の仕える者の為に剣を振るえ…”と言った


…しかし ワタシは 仕える者を見付けられるだろうか?


ありあわせの装備品
騎士とは名ばかりの
冒険者だ…


騎士の武器とは両手槍らしい…


……エアリースチールブレード……

手元にあるのは この両手剣のみ……


コレを振るって
騎士見習いとして旅立つ…
としよう…




……ワタシは騎士(ナイト)にふさわしいのか?


仕えるべき主人は見つかるだろうか?


この疑問と共に………