前回のひとりごとから…

彼から勧められた酒は
不思議な香りを放つ
強い酒だった………




「…なぁ あんた
ブクブク石 持ってないか?」



ひとしきり笑った彼が
問いかけてきた……



「…?
ブクブク石?」



ワタシは首をひねる…
聞いたことも無い
素材だ……



「……あぁ アレね……
懐かしい」



パートナーには思いあたるモノらしく
顔を ほころばせる……



「そっ アレ!!
やっぱり
わかってくれたか…」



彼も嬉しそうに 応える…


「子供のころ よく遊んだっけ………」


……

…………

………………



それから 彼とパートナーはシュリンガー公国で
過ごした子供のころの
話題で盛り上がった……


ワタシは そのようすを
眺めながら酒をチビチビとなめた……



ワタシはシュリンガー公国出身……と云(い)う事になっている………

パートナーに出会う以前の記憶が無いから……


思い出そうとするが
ぼんやりと 谷あいの村の
景色が見えたような気がするだけだった……


どんな子供だったかも
わからない………

パートナーによると
滅びの村 地下工場で
魔物からパートナーをかばって倒れたときの

加護による復活の後遺症じゃないかということらしい……


他に理由も無いので
ワタシは ソレで納得している…

たまに思い出す景色は
まだ この世界で観たことはない 旅を続けていればいずれ目にすることが
できるのだろうか?……