前回のひとりごとから…

彼はカバンから珍しい
お酒を取りだし
ワタシは ご相伴にあずかることにした…………




ワタシは彼から
一口(ひとくち)グラスを受け取り
彼から注いでもらう……

そして彼のグラスにも
薄いオリーブ色の液体を
注ぐ……
パートナーも彼から注いでもらっている……


三人のグラスが満たされたところで……

「「「乾杯!!」」」

…………

星空にグラスを高くかかげる……

そして口元にグラスを近付ける……

何とも不思議な香りだ…

……桜餅の様な

……蓬餅のような………


パートナーも不思議そうな顔をしている……

こんな香りの酒は
はじめてだ………

彼は ワタシ達の様子を
見て ニヤニヤしている…

そして彼はグラスの酒を一息に空けた……

「カッ〜〜!!
キくぜっ!!………」


「どうだい? あんたも…」


うまそうに 口元を拭(ぬぐ)う……


その様子(ようす)に ワタシも不思議な香りがする液体を口に含む……


…!!″……


何て強い酒だ!!

咥内が焼けるようだ!!

そのまま一気(いっき)に流し込む……

喉が…

…胃が……

熱い………



その様を見て 彼が大笑い
しているのが視界のスミに入った……

「…はっはっ ………
お子ちゃまには………
……少し…早かったかな……」



なおも笑い続けている……

ワタシは ( ̄ヘ ̄メ) と
しながらも 彼も かわいい笑顔をするんだな…と思った



「…ワタシはコレでも
成人の儀は受けている…」
ワタシは背が低く胸も
無いのでよく子供に間違えられるのだ……



「そりゃ そうだ
そうじゃなきゃ……
冒険者には なれないだろうよ……」



笑いすぎて出た涙を拭いながら 彼は応じる……



パートナーの方を見ると
白い肌を上気させ
夜目にも顔が赤くなっているのが見て取れた……
目の焦点も合っていないのか
ぼぅ……と焚き火を
見ている……

白灰色の後(おく)れ毛が数本…
薄紅色に染まった白い首筋に架(か)かり

幼いその姿は
艶っぽく 見えた……