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第40話(下)

鐡が持ち帰った、異次元の巨大な実。彼はどや顔で蔦沼達の元へ見せる。

「異空間で気味わりぃもんを見つけた。長官だったか、これを調べてくれよ」
3人はまじまじと不気味な実を見る。ラグビーボールくらいの大きさの毒々しい色をしたもの。


「これはどこにあったんだ?」
蔦沼はいつも通りに聞いてる。
「元老院の館の庭にあった。不気味な木に成っていたんだよ」
「元老院の庭?鐡、何か見たか?」


鐡は見たままのことを話す。

「あのジジイ、この実からネオメギドに変化させていたぜ。いや…実自体がネオメギドなのか?
ネオメギドは植物系だ」
「鳶旺(えんおう)に対しては実が怪人に変化したわけね。早速この実を調べてさせて貰うよ」

蔦沼はあっさりと実を受け取る。西澤は「大丈夫かよ」という反応。


「長官、異次元の実ですよ!?いいんですか!?」
「元老院以外には実は反応しなそうだし、ゼノクなら研究するには施設が堅牢だから万が一怪人化しても大丈夫だから」


相変わらずノリが軽いなー。長官はそういう人だからしゃーないのか…。

ネオメギドに対しては今のところ暁と紀柳院頼りになってしまっているし、早いとこ実を解明しないと紀柳院の命が危ない。
他の隊員も負傷してると聞く。ネオメギド攻略はこの実の解明が鍵かもしれないな…。


こんなことがあったのでリモート会議は中止になった。



鼎は目を覚ましたらしい。嫌な記憶が蘇る。


過去に鼎は怪人に無理やり仮面を外されそうになったことがある。いや…あれは無理やり外された。
いきなり拉致られ、倉庫に入れられ動けないようにされ、その怪人は人間態で迫り必死に抵抗する鼎の仮面に手をかけ、無理やり外した。

あれは屈辱的だった。あの怪人の顔は忘れられない。人をいたぶることを快楽としている顔をしていたから。


御堂と彩音により、助けられたが鼎の心は深く傷ついた。これは晴斗がゼルフェノアに入る以前のことだ。

鼎が素顔を見せることが出来る人物は、彼女が心を許した人しかいない。だから素顔を知る人物はごく少数。


あの時の怪人には逃げられたんだっけ…。あいつ、狂気に満ちていたが冷たい目をしていた。
鐡とは似て非なる怪人。あいつは一体何者?



異空間・元老院。元老院は今や鳶旺だけとなったように見えたが、ある幹部を1人残していた。
それは過去に鼎を拉致し、無理やり仮面を外した男。狂気に満ちていたあの怪人だった。


「再びお前の出番が来たよ。都筑悠真の能力(ちから)を奪うにはお前が最適だからねぇ…。ネオメギドでもいいが。お前…あの女をいたぶりたいか?」

鳶旺は嬉しそうに声を掛ける。その幹部は元老院の者であるにもかかわらず、仮面を着けてない。
元老院では破格の扱いの幹部らしい。


「あぁ。紀柳院鼎のことだよなぁ。いたぶりたいなぁ…。素顔にされた時の泣きそうな顔、忘れるわけがない」
「ネオメギドを従えて出撃せよ。そこに5体いるだろう?」


鳶旺はある方向を示した。そこにはネオメギドが5体控えてる。その男はネオメギドを見て一目で気に入った。

「これが『ネオメギド』か。攻撃力が高いと聞いたが」
「血の気も多いからうってつけだ。現に紀柳院を負傷まで追い込んでる」
「あと一歩、足りないんだな…。なるほど。鳶旺、その命は賜った」

「任せたよ」


鳶旺はほくそ笑んでる。この男は実績がある。
あの時、ゼルフェノアに撃破されかけたこの怪人は鳶旺により救出された。



鐡はあることが引っ掛かっていた。元老院は今は鳶旺しかいないはずだが、1人…幹部が残っていたはずだ。
俺と似て非なる怪人…。狂気に満ちた男。

あいつが出てきたらマズイ。



謎の男は異空間からネオメギド5体を従えて人間界へと場所を変えていた。

「さて…君たちは街を襲撃するんだ。俺は2年ぶりにあの女…紀柳院鼎と再会しようじゃないか」



ゼノクでは急ピッチで異次元の実を調査中。

「なんか嫌な予感がするんですよね…。ネオメギド以外の何かが出そうで」
西澤はそう呟いた。蔦沼は淡々と調査中。

「早いとこ調査を終わらせなくてはね…」
「長官、鐡が何か元老院がどうとか言っていたような気がするのですが」
「西澤、ネオメギド以外の何かを出すかもしれないな。本部と支部に警戒しておけと伝えておいてくれ。防衛システムは起動させろとね」

「了解しました」


第40話(上)

「…で、鼎の様子はどうなんだ?彩音」
御堂は彩音に聞いている。

「鼎は薬が効いたのか今は眠っているよ。私が来た時、鼎…『ネオメギドに対して実力が伴い』って言っててすごい悔しそうだった。あの怪人倒したの、ほとんど晴斗じゃない…」

「晴斗が二刀流になった時、力が増してたのはなんなんだ…?」



支部隣接・組織直属病院。


久留米は鼎がいる病室にいた。鼎は薬の作用で眠っている。
鼎のことなので白い仮面は着けたまま。


私、なんで紀柳院がいる病室にわざわざ来たんだろう…。それにしてもダメージ相当行ってるな…。見てて痛々しい。
前回は仮面割られたって聞いたけど、今回はそっちにはノーダメージなだけマシなのかな…。


久留米は何を思ったのか、ベッドに横たわる鼎に近づき彼女の仮面を外そうとする。
明らかに魔が差した瞬間だった。

鼎は眠ってはいるが、うわごとを言っている。どうやら仮面を無理やり外されることにかなりの抵抗がある模様。
「…やめろ、外すな!やめてくれ…。それは私の『身体の一部』だ」

鼎はこの状況をわかっているのかいないのか、うわごとを言いながら激しく首を左右に振っている。相当嫌がってる…。


久留米はこの悲痛な声を聞き、我に返る。
私…今、紀柳院の仮面を外そうとしてた…。彼女、相当嫌がってた…。

久留米は恐る恐る鼎から離れた。鼎本人は眠ってはいるが、戦闘の影響でうわごとが多いらしい。


久留米は自分の手を見た。

一体何やっているんだろう…私。怪我で抵抗出来ない人の仮面を外して何をしようとしたんだろう…。
紀柳院の素顔をはっきりと見たかったの?なんか違う気がする…。


久留米はしてはいけないことをしてしまい、罪悪感に苛まれる。



支部・隊員用休憩所。


久留米は罪悪感が残るまま、休憩所へ。囃はすぐさま気づいた。
「あれ?久留米どこ行ってたの」
「…なんでもない」

あの久留米がめちゃめちゃ凹んでる。久留米は休憩所にいた御堂と彩音に聞いてみた。


「御堂・駒澤、紀柳院について詳しいんでしょ。ちょっと聞きたいことがあって…」
「なんだよ、話してみろよ」

御堂、不器用に促した。


少しして。

「おいおいそれは御法度だぞ!?久留米は眠っている鼎の仮面を無理やり外そうとしたのかよ!?」
「…うん。魔が差して…。紀柳院のうわごとですごく嫌がっていたから止めた」

「久留米さん、それはやっちゃいけないやつ。仮面の呼吸穴を塞がれたら…鼎が苦しんじゃうよ」
「お前…素顔見たかったのか?」

「わからない…。衝動的だったから。今は罪悪感でいっぱいで」
久留米がめちゃくちゃやらかした感じになっている。


御堂はピシャリと言った。

「そんなことされたら誰だって嫌がるぞ。鼎からしたらあの仮面は飾りじゃねぇ、れっきとした『身体の一部』なんだよ。
あれがないと人前にも出られないし、あいつは火傷で目も深刻なダメージを受けている。仮面は目の保護も兼ねてんの。そんだけあいつからしたら大事なの」

久留米はさらにずーんと来たようだ。軽率だった。何をしてるんだ私は。


彩音は久留米に一声かけた。
「鼎は眠っていたからたぶん大丈夫だと思うけど…。無理やり外されるのが嫌だったんだと思うの。ものすごく抵抗するから」


そんなこと…知らなかった。



本部ではネオメギドについて宇崎から隊員達が聞いていた。


「ちょ!?きりゅさんがネオメギドで負傷したってマジですか!?」
時任、大袈裟なリアクション。宇崎は時任を落ち着かせる。

「時任、落ち着け。現に鼎はネオメギド相手に2度負傷している。あの発動が使える鼎ですらこの状況…。能力を使っても鼎はまだ使いこなせていないからな…。毎回発現しているわけじゃない」
「暁くんは?」
「晴斗は逆に力が増してるらしいんだ。晴斗のブレードと鼎のブレード、2つを使った時だけあり得ない力が出てる」

「きりゅさんが心配だよー」


宇崎は安心させようとする。

「敵のターゲットは晴斗と鼎だが、鼎に対しては殺意剥き出しってのが引っ掛かる。
だから今支部にいる本部隊員全員、鼎が回復次第本部に帰ってくるから大丈夫だ」
「私達のネオメギド攻略法、今のところないから苦戦してるのホントなの?」

「晴斗と鼎にばかり頼っていられないもんな。今、ゼノクで長官達が対抗措置をしてるところだよ」


対抗措置?



ゼノク・司令室。


蔦沼達3人はネオメギドについて協議してる。

「紀柳院が執拗に狙われてる。支部には伝えておいたけど、彼女の回復次第本部へ戻るように支部にいる本部隊員へは伝達済みです」


西澤が蔦沼に報告。蔦沼はこのネオメギドという強敵について悩んでいた。

「暁と紀柳院に頼っていたところはあったが、そろそろ脱却しないとね…。
現に紀柳院は執拗に狙われた上に、発動虚しく負傷しているからなぁ。相手は紀柳院を殺しに来ている…どうしたら」

「長官、戦闘データ出ました」
南は蔦沼にネオメギド戦のデータを見せる。蔦沼はデータ資料を受けとる。


「暁と紀柳院以外だと、鶴屋の活躍が際立つな…。月島も。護符と音撃…どちらも広範囲攻撃可能なものだね」
「敵は待ちませんよ!?対策どうするんですか」

「宇崎・小田原・北川とリモート会議する必要あるな…」
「会議ですか!?」

西澤、「そんなにもヤバいの?」といったリアクション。


「そ、緊急会議。異空間にいる鐡の報告次第では、対策は変わるかもしれないけど…」
「鐡は何やってるんだろうな」



異空間・元老院の館…の庭。鐡は鳶旺(えんおう)がない隙に庭へ侵入。
不気味な木が1本生えている以外は、イングリッシュガーデンっぽい。


鐡は木を見た。低い木だな…。木には禍々しい色の巨大な実が成っている。

これがネオメギドの元となる実か…。ひとつ、貰っていくぜ。
鐡は実をひとつ、頂戴した。不思議と実をもいでも何も起こらない。


この実…というかこの木、何かしらあるな。鐡は異空間を出た。





第40話(下)へ続く。


詳細設定(支部の主要人物2)

自分用メモを兼ねた自己満小説の詳細設定。支部の主要人物の続き。
追加更新少ないかも。鶴屋と高羽はサブキャラに近いかもしれん。



・久留米紗和(くるめ さわ)


ゼルフェノア支部在籍。運動神経抜群の女性隊員。
高難度のアスレチックやボルダリングでトレーニングしてる。木登りが得意。
その身軽さから偵察の役目が多め。

制服を着崩している。上着のファスナーを胸元まで開けてる。


一人称は「私」。気の強い性格でしばしば囃に制止されることも。
相手のことは基本的に呼び捨て。本人に自覚はないが、時たま言い過ぎる傾向にある。


戦闘スタイルは性格が表れてるのか、かなり荒っぽい。手榴弾や爆薬をよく使う。対怪人用銃や対怪人用短刀も使う。
肉弾戦も使うがとにかく荒っぽいのが特徴。喧嘩スタイル。戦闘になると口が悪くなる。かなり好戦的。

性格に難ありだが、仲間思い。怪人にダメージを受けた鼎の姿を見て反省するなど、実はかなり気にしてる一面も。



・鶴屋圭吾(つるや けいご)


ゼルフェノア支部在籍。存在感は薄いがやる時はやる隊員。

一人称は「俺」。相手のことはさん付けが多い。
常にマイペースで戦闘中でも呑気な語り口が特徴。緊張感がない。支部の主要隊員の癒し系。のんきな性格。


戦闘スタイルは独特で護符使い。あらゆる護符を駆使して戦う。
護符の種類は多様で攻撃系から防御系まである。一撃系から広範囲系と幅広い。

札の中には武器に変化させるものもある。



・高羽遠矢(たかは とおや)


ゼルフェノア支部在籍。鶴屋同様、存在感は薄いが援護を主に担当。

一人称は「俺」。相手のことはさん付けが多いが時々呼び捨てになる。
月島とは気が合うらしく、しばしば一緒にいることも。


装備は二刀流の同型のブレードがメイン。対怪人用の銃も使う。近接戦が得意。ブレードの使い方が独特らしい。


無題

話題:おはようございます。
昨日の拍手15個ありがとうございます。今日は珍しくドラマを観るかもしれません。


グレかまスピンオフドラマ2がクリスマスのお話なので楽しみ。
ヘンゼルがパティシエになった未来の話の第2弾ですな。グレかまスピンオフドラマ、好評だったんかな〜あれ。

再放送ちょいちょいやっていましたし。


ドラマ「岸辺露伴は動かない」、深夜に再放送やんのかよ!1話〜3話は見てないので観るかもしれません、マジで。
4話〜6話は再放送で見たのですが。深夜イッキ見で。1話完結だから見やすいのもありますが。斬新なミステリードラマだよね、岸辺露伴。ジョジョのスピンオフってのもありますが…。

露伴3期、7話と8話…今月やるんでしたっけ。



自己満小説39話(下)を読み返したら「なんかここ、描写が足りてなくね?」な箇所がちらほらとあったので修正かけた。
最近、微妙な修正が多い…。書いた時間帯もあるのだろうか…。



それにしても心霊番組にヤボなツッコミ入れるやつは「最初から見るな!」と言いたい。…親父のことです。居間はBS・CS見れるじゃん。無理して地上波見なくてもいいだろうがよ…。


自室は地上波しか映らんので昨夜は「口を揃えた怖い話」見てから寝た。
小説書きながらだったから、ながらで見ていた感じ。あの番組は妖怪のところ目的で見ているようなもん。


令和の妖怪って、なんか興味あるじゃんか。
アクロバティックサラサラ、怖すぎじゃないですかあれ。

トンカラトン…めっちゃ覚えてる。怖いよあれ。ビジュアルからして怖いよ。包帯男が日本刀持ってチャリで来るって。
子供ながらにそれ系の本を見てガクブルしていたっけ。鬼太郎とぬ〜べ〜の影響もありそうだ。

子供の頃はオカルトブームがあったせいか(ノストラダムスとか懐かしい)、図書室でよく学校の怪談系の本や妖怪関係の本をよく読んでたガキでした。

妖怪は信じるタイプかも。


心霊番組はエンターテイメントとして見れば、怖さはまあまあ軽減される…かな…。年末のたけしの番組はエンターテイメントしてるじゃん。今年はやるかはわからんが。
ホラーとギャグは紙一重って言いますし。

あのドライブイン、心霊スポットではなく廃墟でも有名じゃなかっけ?なんか見たことある、写真で。
建物の形が独特だからかなぁ。



とにかく心霊番組にヤボなツッコミを入れる輩は見るなと言いたい。最初から見なきゃいいじゃん。

親父も親父でいちいちテレビに突っ込むな。お前は大槻教授か!
TBS系だからそこまで信じて見てないぞ、あの番組。でもじわじわ来るんだよな…怖さが。


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