僕の祖父様は、魔界帝国軍の元帥で。魔界貴族でもあります。
そんな祖父様は、下界から帰って来るなり何やら妖しいのをグツグツと溶かしていました。
「父様ぁ…大変です!!!」
「どうしたんだい?リキア…」
「祖父様が…祖父様が…何やら妖しいのを溶かしています」
僕は父様に報告した。
だって、祖父様がニコニコしながらキッチンに居るの恐いんだもん。
バックに花畑なんか浮かばせちゃって…
「…シイガ様は、また何を始めたんだろうね?」
「さぁ…」
「微かに甘い匂いがしました…」
「甘い匂い、ね」
茶色塊をトロトロに溶かしていたから。
妖しいのは間違いないよね…
「もしかして…チョコかな?」
「チョコ?」
「リキアはまだ…下界に降りた事ないから解らないかもだけど。下界ではね…二月になったらバレンタインというのがあるんだよ。大好きな人にチョコを渡す特別な日」
へぇ…
「祖父様……誰かにあげるのかな」
花畑なんか浮かばせていたからには、誰かあげる方がいるに違いない。
じゃなきゃ…
嬉しそうにしてないもんね。