「さぁ、受け取れ!!!」
いきなり来て、この人は何がしたいんだ。
というか…
気付いてよ。
後ろから冷たい殺気が漂ってるの。
「あ、あの…これは」
「下界では二月になったら大切な存在に渡すらしい。なので…俺も作ってみた。食べてくれるよな?ラファエル…」
「にゃっ…」
僕がその声に弱いの知っていて業っと出したな。
「とても美味しく出来たんだ…」
「ちょっ、シイ………んふぁ…ぁっ」
深い接吻をされてしまい…
息が出来ない。
シイガ卿…
兄様に見せつけるのはどうかと。
「どうだ?俺が作ったチョコの味は…」
思考が上手く働かない。今なんか、恐ろしい言葉が聞こえたような…
駄目だ。
立ってられない…
「ソナタが…チョコで酔うのは当に調べてある。今宵は楽しい夜にしような。ラファエル…」
僕の祖父様は、魔界帝国軍の元帥で。魔界貴族でもあります。
そんな祖父様は、下界から帰って来るなり何やら妖しいのをグツグツと溶かしていました。
「父様ぁ…大変です!!!」
「どうしたんだい?リキア…」
「祖父様が…祖父様が…何やら妖しいのを溶かしています」
僕は父様に報告した。
だって、祖父様がニコニコしながらキッチンに居るの恐いんだもん。
バックに花畑なんか浮かばせちゃって…
「…シイガ様は、また何を始めたんだろうね?」
「さぁ…」
「微かに甘い匂いがしました…」
「甘い匂い、ね」
茶色塊をトロトロに溶かしていたから。
妖しいのは間違いないよね…
「もしかして…チョコかな?」
「チョコ?」
「リキアはまだ…下界に降りた事ないから解らないかもだけど。下界ではね…二月になったらバレンタインというのがあるんだよ。大好きな人にチョコを渡す特別な日」
へぇ…
「祖父様……誰かにあげるのかな」
花畑なんか浮かばせていたからには、誰かあげる方がいるに違いない。
じゃなきゃ…
嬉しそうにしてないもんね。