スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

寒空の桜…

――天神界・黄龍帝邸・庭


春爛漫とは裏腹に今年の春は少し変わっている。よく、花冷え等と例えたりもするらしい。
神が棲む世界でも下界と同じく四季が存在するのだ。


「早く暖かくなれば良いな…」


君は冬生まれなのに、寒いのが苦手だった。今でも布団の中から出たくないと、駄々を捏ねているのだろうか。


『冬生まれだからと言って、寒さに耐寒がある訳じゃないよ!』


口癖だった…


「寒いのに、植物は一足先に春の訪れを…」

寒空の下で淡いピンク色の花弁が舞う。


「――…懐かしいな」


何時か、君にも見せてあげたい。
寒空の桜は、既に春の暖かみを感じている。


『糶たん…』


「…空耳か」


俺はふっと、思い出し笑いをし、屋敷の中へと戻った。


ヒラリ、ハラリと舞う桜の花弁と共に…
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2013年04月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30